Hoosier A7/R7　タイヤご使用ガイドライン
こちらのページではＨｏｏｓｉｅｒのスポーツカーＤＯＴラジアルＡ７/Ｒ７の性能を性能を最大限に発揮させる為の使用上のコツ及び注意事項について書かせて頂きます。
注意事項
A7/R7タイヤは米国の交通運輸局が認定するDOT規格に適合しています。規格上ではストリートタイヤですが、A7/R7タイヤはサーキットのドライ路面で使用する事を前提に設計されている為、公道及びウェット路面での使用は推奨されていません。
また、一般のラジアルタイヤに比べて騒音、振動、乗り心地、ライフが劣る場合があり、石や異物を拾いやすいなどの点から公道での使用は推奨されていません。
A7/R7タイヤはサーキットでの性能向上の為、非常に軽量に造られています。その為、一般のラジアルタイヤに比べ空気の減りが早い場合があり、外的衝撃を受けた際パンクする可能性は高くなりますので、荒れた路面や滞留物の多い路面でのご使用は控えて下さい。
空気が減りやすい場合は減りがビード部分かサイドウオール、トレッド部分か判断して頂き、ビード部分の場合、ビードシーラントを使用して下さい。減りがサイドウオールまたトレッド部分の場合はタイヤを組む際、タイヤの内側全体にまんべん無く中性洗剤を塗って頂き乾かした後、タイヤを組んで頂ければ減りが軽減される場合がございます。
 
タイヤのナラシ
A7/R7タイヤはタイヤのナラシが推奨されています。ナラシはタイヤの初期パフォーマンスには影響しませんがタイヤの耐久性性及びライフ向上に役立ちます。ナラシの方法は以下の通りです。

A7/R7（ロードレース使用の場合）
新品タイヤの最初の数ラップがタイヤの耐久性向上及び寿命を延ばす為に非常に大事になります。最初のセッションは最長でも１０分〜１５分程とします。最初は軽く流す程度で徐々に速度を上げ、最後のラップは最大限に早いラップを走る。ポイントは最後のラップでタイヤに最大限の熱を入れるという事です。最後のラップの後はピットへ戻りタイヤを熱冷ませて下さい。一度、熱入れしたタイヤは次回使用するまで最小でも２４時間、理想は１週間の期間を置き、コンパウンドを安定させます。タイヤのナラシの際は空気圧を通常使用時より0.2〜0.3BAR高めで行って下さい。
ここでの最大のコツはタイヤに"ショック”を与えず徐々に負荷を与え、最後に最大の熱を入れる事です。
上記のナラシを行うのには計画性と場合によって数セットのタイヤ、ホイールを必要としますが、タイヤの耐久性及び寿命を延ばすのに必需なのでお勧め致します。

A7(オートクロス、ジムカーナ競技に使用の場合）
オートクロス及びジムカーナーでA7タイヤを使用する場合、ナラシはほとんど要りません。ただ、表面の油分やテカテカを取り払う為、ピットレーンや駐車場などで”転がす”程度で結構です。その際、エアーは高めでも良いですがアタックの際はエアーを適正値に落として下さい。
タイヤの温度
A7/R7タイヤとでは、それぞれベストなトラクション及びパフォーマンスが得られる温度域が異なります。

A7の適正温度は43℃〜60℃
R7の適正温度は82℃〜93℃
より正確なタイヤ温度を測る為にはタイヤに刺すプローブタイプのタイヤ専用温度計をご使用下さい。表面温度を測るレーザータイプの温度計では正確な温度数値が得られません。
シャシーセッティング
Hoosierの”P-Metric"ラジアルタイヤは最大のパフォーマンスを得る為には３°のネガティブキャンバーが最適です。0.5°少ない2.５°のネガティブキャンバーではトラクションは向上しますが、外側の摩耗が多めになります。2.5°以下のネガティブキャンバーでは外側のショルダー部分の摩耗が激しくなります。ネガティブキャンバーに制限がある車両は空気圧を高めにセットして下さい。
Hoosierのラジアルタイヤは一般的に他ブランドのタイヤより固めのサス/ショックセッティングを好みます。
空気圧
A7/R7タイヤの推奨の冷間時及び温間時の空気圧は以下の通りです。

車重810kg-998kg
温間2.2〜2.4BAR　　冷間1.8BAR〜2.0BAR
車重998kg-1180kg
温間2.4〜2.5BAR      冷間1.8BAR〜2.0BAR
車重1180kg-1360kg
温間2.5〜2.8BAR      冷間1.8BAR〜2.1BAR
車重1360kg以上
温間2.8〜2.9BAR      冷間2.1BAR〜2.4BAR

上記空気圧はあくまで目安です。コースコンディションや足回りのセッティングなどで異なります。またダウンフォースが効いているエアロパッケージの使用、あるいは車重が極端に重い車両は更に空気圧を高める必要がある場合がございます。
タイヤは新品時、エアー圧が適正の場合トラクション不足が感じられる事がありますがそれは正常です。タイヤが走行を重ねるうちにトラクション性能が上がってきます。トラクションを得るために空気圧を下げ過ぎるとタイヤのパフォーマンスを下げ、異常摩耗を引き起こし、最悪サイドウオールなどにダメージを与え危険です。
タイヤが温間の時、空気圧を冷間時の空気圧に絶対に落とさないで下さい。著しく低圧になる可能性があり、タイヤの異常摩耗、サイドウオール、トレッドへのダメージを与え剥離などを引き起こす可能性があります。
一般的に気温が5℃上昇するごとに空気圧は約0.05BAR上昇します。一日通しての気温の上昇とともに空気圧も上昇しますので走る際はエアーのチェックをし、なるべくタイヤを直射日光に当たらない様心がけて下さい。
また空気と窒素では圧の上昇率が異なります。湿度の少ない窒素は圧の変動が少ない分、冷間時の圧を0.1〜0.2BAR高めにセットして下さい。

用途/駆動方式別の空気圧セッティング

オーバルコース
HoosierのDOTラジアルはハイスピードでバンクを走るスーパースピードウェイなどでの使用をする様に設計されていませんが、使用する場合は通常より高めの空気圧及び2°以下のネガティブキャンバーにセットして下さい。

オートクロス及びジムカーナ
短時間のレースになるので空気圧の上昇が少ないので冷間時の圧は温間時とほぼ同等（-1〜-2BAR)でセットして下さい。

FF車
前輪駆動車の場合、前輪が担う役割が非常に大きいです。ステアリング、加速、ブレーキングすべて前輪が行うので特に前輪の空気圧は推奨空気圧より高めにセットして下さい。FF車は後輪に熱の入り難い為、リヤタイヤはフロントに比べ低めの空気圧が一般的です。

RR車
リヤエンジン、後輪駆動の場合大事なのはタイヤの外径をノーマルと同等もしくはそれ以上にする事です。そうする事によって耐荷重に余裕を持たせる事が出来ます。外径がノーマルより小さくなると過重に耐えられなく可能性があり、さらにタイヤのオーバーヒートを引き起こしタイヤに多大なダメージを与えかねません。
その他注意事項
A7/R7タイヤは他ブランドタイヤと同じ表記のサイズに比べて寸法が異なる場合があります。多くの場合は太くなります。タイヤの寸法は商品詳細のページをご参照下さい。また、寸法は使用するホイール、エアー圧などで実寸法がカタログ寸法と異なる場合がございます。

ホイール幅の選定ですが、各サイズは大体１インチの許容幅がありますが、一般的なのはトレッド幅±0.5インチのホイールを使用する事。ホイールが許容範囲より細くなるとショルダー部の摩耗やコーナリング性能の低下の可能性があり逆にホイールが太すぎる場合はタイヤの脱落などの危険性があります。

A7/R7は他ブランドのタイヤに比べ、非常に軽量に造られています。運動性の向上、転がり抵抗の軽減などのアドバンテージとは反面、ブレーキロックなどの際はフラットスポットの発生がしやすくなります。ブレーキロックした際はタイヤの点検をして下さい。ABS装着車はブレーキロックの可能性が低いですが、ABS非装着車はご注意下さい。

メーカーではトレッドソフナーなどのケミカルの使用はタイヤにダメージを与える可能性があるので禁止しています。また、シェービング（削り）の必要はありません。

A7/R7はローテーション及びインサイド/アウトサイドが無いので摩耗を見て組み替えて使用して頂いて結構です。

A7/R7タイヤは柔らかいコンパウンドを使用している為、コースに落ちているデブリ（ゴムのカス）を拾い易くなっています。レコードラインを外れた場合はデブリが結構、路面に落ちています。タイヤに適正の熱が入っているまたはタイヤに負荷を掛ける事が出来ればデブリを弾く事が出来ますがクールダウンラップなどでタイヤの温度が下がった時、拾い易くなります。デブリの付いたままのタイヤはトラクションの低下を引き起こしますので次回走行前には取り払ってください。
ヒートガンで温めればスクレーパーなどで取り除けます。グリップは元通りに復活します。
 

 
 

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